私は6月19日に後方両側人工股関節置換手術を受け、2泊3日で退院してから、昨日で手術日より1週間がたちました。あっという間の1週間でした。
脊椎と全身麻酔
私は19日に両側の股関節手術を3時間で受けました。この時の麻酔はSpinal Anesthesia(脊椎せきつい麻酔)でした。個人の差はあると思いますが、私は全く吐き気や味覚障害などの後遺症なく、術後はとても快適でした。 この脊椎麻酔について最初に医師から説明を付けた内容をお話したいと思います。私の意見なしに渡された説明書の和訳内容です。
硬膜外麻酔と脊椎麻酔の違いは何ですか?
両方ともとても、似ています。背中を局所麻酔した後に比較的太い針を硬膜外腔 又は脊椎まで進め、この管を通じて局所麻酔薬などの鎮痛薬を注入することによって、末梢神経からの刺激伝達を遮断し、痛みを緩和するというものです。
麻酔のタイプを選ぶ事は可能ですか?
手術前に麻酔薬のタイプを麻酔医と話し合い 納得した麻酔方法で手術に臨むことが出来ます。
脊椎麻酔について
手術中に起きていなければいけませんか?
いいえ、ほとんどの場合、脊椎麻酔に加えて鎮痛剤を使用します。この場合の鎮痛とは静脈内投与によりリラックスしたり眠気を催したりすることです。脊椎麻酔は専門医によって、手術中レベルを調整します。患者はリラックスし、騒音や周囲に煩わされません。リラックスして手術中に寝てしまうことが多いです。
患者により、多くの鎮静を好む場合がありますが、これは多量の薬物投与をする事になります。鎮痛薬の反応は患者によって異なる為、眠気を考慮し、薬の効果を観察しながら鎮静剤を徐々に高める事が大切です。
脊髄麻酔は痛いですか?
脊髄注射はひどく痛いというものではありません。注射の時ベット横に座り、丸くなるように指示があり脊椎に注射をしまします。
手術を感じるのでしょうか?
いいえ、あなたの麻酔医は適切に麻酔が機能するまで手術の開始を許可しません。安心してください。
手術を見る事は可能ですか?
いいえ、胸の周りには手術用のスクリーンが配置されているために手術を見る事はできません。
手術中 何か聞こえたり感じたりすることはありますか?
鎮静が不充分な場合手術室で音が聞こえたりする場合があります。しかし多くの場合はほとんど睡眠に近い状態なので会話を聞き取ったり、覚えていることはありません。もし、とても気になる場合、事前に耳栓やノイズキャンセレーションヘッドフォンや音楽プレーヤーで緩和することもできます。
私の術後の目覚め方
私は10時からの手術で3時間と言われていて、起きたのはちょうど3時間後の1時でした。起きたのか、起こされたのかはわかりませんが、最初に耳元で金属を片付けている音がしました。目を開けるとちょうど足の先に大きな時計があって1時でした。 その後は何かで拭かれていて、看護婦さんが「これから回復室に向かいます。」とベットを動かし始め、別室へ。その部屋では別の医師から「約1時間経過を見ます。何かあったら教えてください。」と言って血圧や色々とチェックをしていて、その1時間後また看護婦さんが「では整形外科病棟にエレベーターで移動します。」とベットごと連れて行ってくれて 整形外科のベットへ移動でした。 足の感覚はあまりありませんでしたが、意識ははっきりしていました。
私の母の体験
私の母は80歳以上で去年膝の手術を片方ずつ、2度に分け東京都内の病院で全身手術で行い、術後の嘔吐と味覚症状に悩ませられました。約1か月入院していました。術後は熱が出たり 具合が悪くなったり、後遺症が出たと話をしていました。
私が医師に出した注文
カナダでの手術の際には わりと個人の主張を通そうとしてくれると思います。手術前のミーティングでは「これをしてもいいか Ok or No」の様に 多くの質問に答えました。
- 輸血OK
- 嘔吐が続くような薬はなるべく使いたくない
- 味覚症状がでる薬はなるべく使いたくない
全身麻酔か、脊椎麻酔か?
色々な記事や、本を読んで全身麻酔と脊椎麻酔のことを知りました。脊椎麻酔の場合は個人差もありますが、嘔吐などの症状は少ないようです。実際私が入院していた病室や近くの病室からはそのような症状の方は 聞こえませんでした。
また記事によっては出血量に関しても脊椎麻酔の方が少ないと書かれているものもありました。 私の場合は結果的に輸血をしませんでした。
術式は患者の容体と医師によって変わる
確かにそのとおりです。カナダのほとんどの場合先生や、病院を選ぶことが出来ません。例えば、私が行った大学病院の整形外科の先生で、前アプローチができる方は2人。私の先生は後方アプローチでした。ネットなどで色々と調べて、「前は直りが早いんじゃないか」とか聞いてみましたが、結局のところ主治医がやりやすい方向が一番という結論に達しました。「私の先生は感染症のリスクが少ないし、直りはあまり大差ないから後方からする」と言っていました。素人の私にはどちらでも、いいことです。結果が良ければその工程が多少違っていても、歩くたびに激痛を伴っていた以前より数百倍もいいからです。
もし、今後自分が受ける手術の麻酔方法で選べる可能性があるのなら、聞いたり調べたりするのはいいでしょう。
しかしその病院が例えば全身麻酔しかしない病院だったとしても、それなら、嘔吐する患者さんのケアは慣れているという事なので 心配しないでください。私達素人が思う以上に、看護婦さんや、医師たちは知識と経験をもって私たちを痛みの世界から一日も早く助けてあげようとしてくれています。頑張ってください。